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SOLAR DERBY | ソーラーダービー

SDS(ソーラーダービースコア)の詳しい説明

1. 目的

SDS は、天候と設計条件の違いを取り除き、発電所ごとに「その日に出せたはずの量に対して、どれだけ発電したか」を示す相対性能指標です。

PR(IEC 61724-1 の性能比=最終発電量 Yf ÷ 基準発電量 Yr)は物理的な変換性能の評価に使い、SDS は所有者への説明と、日々の調子の見える化に使います。

2. PR をそのまま使わない理由

見守っている発電所のデータで、次の3つを確認しました。

  1. 基準発電量 Yr のもとになる日射量が1地点の気象モデルの推定値で、現地の雲の分布と合わない日があります。
  2. DC/AC 比の高い発電所が多く(1.8以上が38か所中27か所)、晴天時のクリッピングで PR が構造的に低くなります。
  3. 出力抑制で PR が下がります(所有者の責任ではありません)。

その結果、日ごとの PR の中央値は7〜104と大きく動き、発電所の良し悪しより、天候と抑制を映してしまいます。

3. 定義

E(i,d)
発電所 i の d 日の発電量(kWh。パワコン出力側の実測)
B(i)
自己ベスト=日発電量の90パーセンタイル(直近365日の全データ。発電0の日は除く。10日分に満たないうちは「学習中」)
r(i,d)
E(i,d) ÷ B(i):自己ベスト比
N(i)
半径10km以内で、DC/AC 比が同じ組(1.5未満・1.5〜1.8・1.8〜2.2・2.2以上。近所並み%と同じ組分け)のほかの発電所。4か所に満たないときは半径10km以内の全部、それも4か所に満たないときは全発電所
S(i,d)
N(i) の r(j,d) の80パーセンタイル=その日の空の状態(r が0.05以下の発電所は除く)
SDS(昨日)= min{ 100, 100 × r(i,d) ÷ S(i,d) }
SDS(1週間・1か月)= 100 × Σ min{ E(i,d), B(i)·S(i,d) } ÷ Σ B(i)·S(i,d)(7日・30日)

1週間と1か月は、日ごとの SDS(上限100)を、その日に出せたはずの量 B(i)·S(i,d) で重みづけした平均です(日射の弱い日の不安定な比に引っ張られません)。日ごとに上限100で切ってから平均するので、ある日に近所を上回った分で、ほかの日の不足が埋まることはありません。データの無い日と、近所で発電している発電所が2か所に満たない日は採点しません。

2026年9月28日:1週間・1か月を「発電量の合計の比」から、この形に直しました(近所だけが出力抑制を受けた日の分で、不調の発電所が100点になることがあったため)。

2026年9月28日(2):自己ベストを全期間(2026年5月16日〜)のデータで覚え、空の状態を DC/AC 比の同じ組で測る形にしました。夏のデータを入れると DC/AC 比の低い発電所ほど自己ベストが伸び(8月23日からの値に対して 1.20倍・1.19倍・1.12倍・1.10倍=組の順)、近隣の全部と比べる形のままでは、DC/AC 比の低い発電所が秋に約10点低く出たためです。

4. 考え方の根拠

5. 検証(2026年5月16日〜9月27日・38か所)

PRSDS
日ごとの中央値7〜104135日のうち127日が90以上(最低81)
直近1か月(8/29〜9/27)の中央・幅52.6(43.6〜62.5)93.2(82.4〜99.9)

5/17(春の出力制御の日曜・晴天)は PR 8 → SDS 94、9/20(連休の晴天・抑制とみられる日)は 19 → 97、9/26(雨)は 40 → 94。5〜6月は春の出力制御で、晴れた日の発電が平日で自己ベストの54%、土日祝で28%でした(7〜8月は96%・98%)。

DC/AC 比の組ごとの直近1か月の中央値は 1.5未満 94.8・1.5〜1.8 93.5・1.8〜2.2 90.5・2.2以上 93.1。組の差は 8/31・9/15・9/27 の3時点で1〜4点でした(同じデータで近隣の全部と比べる形では10〜15点)。

PR と SDS の日ごとの中央値のグラフ
PR(オレンジ)と SDS(青)の日ごとの中央値(38か所)。自己ベストは全期間のデータで覚えた値。押すと大きく開きます。

6. 限界と対応

  1. 慢性的な不調:自己基準なので、観測を始める前から続く不調は B(i) に織り込まれます。→ 不調の検出は、同じ DC/AC 比の近隣との比較(近所並み%)と4段階の判定で行い、SDS と役割を分けます。
  2. 一部だけの出力抑制:同じ組の中でも、抑制を受けた発電所と受けなかった発電所に分かれる日は、受けた発電所が下がります(9/23 は38か所中10か所が70以下。近隣の全部で空を測っていたときは25か所)。→ 1週間・1か月は日ごとの平均なので、影響は1日分です。ただし、その1日が晴れた日だと、1週間の点数は数点下がります。
  3. 局地的な天気:にわか雨などで、半径10kmの中でも天気が割れる日があります。近隣が少ない発電所(松浦から離れた数か所)は全発電所で代用するので精度が落ちます。→ 見守る発電所が増えるほど良くなります。
  4. 頭打ちによる非線形:DC/AC 比の高い発電所は中程度の日射でも頭打ちになり、r と空の状態が完全な比例になりません。→ 空の状態を DC/AC 比の同じ組で測ります(組の差は1〜4点)。組が小さい(4〜5か所)と、その中でいちばん良い発電所は毎日100近くになります。
  5. 学習期間と季節:B(i) の推定には10日分以上(安定には約30日分)が要ります。B(i) は直近365日の全データで覚えます。夏に伸びる割合は DC/AC 比で違いますが(1.10〜1.20倍)、同じ組どうしで空の状態を測るので打ち消されます。経年劣化は長期の推移として別に示します。

パラメータ(90パーセンタイル・80パーセンタイル・半径10km・4か所・組の境目)は暫定値で、データがたまったら見直します。2026年5月16日〜6月30日のデータは、試験用の仮の数字を 2026年9月28日に実測へ入れ替えました。