1なぜ数字だけでは比べられないのか
同じ「49.5kW」でも、発電所ごとに条件が違うため、生の発電量(kWh)では比べられません。
- ☀️ 載せたパネルの量(過積載)が違う … たくさん載せた発電所ほど、朝夕・曇り・冬に強くなります。
- 📉 晴れた正午はパワコン上限でカット(ピークカット) … 故障ではありません。
- ⚡ 九州は晴天時に「出力抑制」がかかることがある … 春秋・休日に多く、故障ではありません。
- 🔌 低圧は「力率0.95」が標準 … 上限が95%前後に見えるのが正常な状態です。
2私たちの比べ方
天気の良し悪しは地域みんなに同じくかかります。そこで——
- 発電量 ÷ 設備容量
容量の大小を打ち消し、「1kWあたり何kWh」に直します。
- 同じ地域の"まんなか"(中央値)と比べる
地域全体が低い日か、あなただけ低いかを切り分けます。
基準比 =(あなたの発電量/容量 − 地域の標準)÷ 地域の標準 × 100
3健全度シグナルと、すべきこと
「地域のまんなかから何%ずれているか(基準比)」で、5段階に色分けしています。
🟢 緑−10%以内正常
疑い:通常のばらつき範囲
見守り継続。問題ありません
🟡 黄−10〜−20%注意
疑い:汚れ・軽い影(草木)・抑制・力率上限
経過観察。次回点検で確認
🟠 橙−20〜−30%警告
疑い:パワコン不調・回路異常・高温・系統抑制
遠隔診断+早めの現地点検
🔴 赤−30〜−50%重大
疑い:パワコン停止・断線・重度の影
至急、現地調査へ
⚫ 黒−50%超・ゼロ停止
疑い:パワコン停止・系統遮断
即日対応(収入が止まっています)
⚪ 灰データなし通信途絶
疑い:通信・記録装置の障害
まず通信を確認(発電は生きている場合も)
📅 月単位では別の見方も:月の成績(PR)が前月・前年同月より −5%以上 じわじわ落ちていたら、汚れや経年劣化のサインです。
4「下がり方の形」で原因が絞れます
🔝頭打ち型(みんな95%前後で止まる)
力率・系統抑制(正常なことが多い)
📊じわじわ型(数週間かけて少しずつ)
パネルの汚れ・劣化
5私たちの診断の考え方 ―「三層」で絞り込む
大きい所から小さい所へ、三層構造で絞り込むのが最も実務的です。
1同地域比較(よその発電所と比べる)
まず「あなただけ低いのか」を判定
2施設内のパワコン比較(あなたの中の機械同士)
「1台だけ沈んでいないか」
3ストリング比較(パネルの列ごと)
「どの列が弱いか」まで特定
⏱️ そして、短期の大きな低下(パワコン停止・ストリング断線・温度・影・系統抑制)を先に、長期の小さな低下(汚れ・劣化)を後で評価する——この順序がもっとも実務的です。
🔍 監視画面で分かる所は監視で判断し、確定が必要な所だけ現地(I-V測定・サーモ・絶縁抵抗)で。むやみに現地費用をかけません。
6しきい値に当たったら(流れ)
注意(黄)経過観察・次回点検で確認
警告(橙)遠隔診断+現地点検のご提案
重大・停止至急の現地調査・メンテナンス
※この目安は監視からの一次切り分けです。最終確定には現地調査(I-V・サーモ等)を併用します。